2008年07月22日

「フラガール」を支えた映画ファンド

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『フラガール』を支えた映画ファンドのスゴい仕組み (角川SSC新書 (008))著者は金融関係から転職し、現在はジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社というところにお勤めになっている方。著者が仕掛けた映画ファンドのことだけでなく、映画産業の構造もとてもわかりやすくまとめられており、それを理解するためでもいい本だと思う。

著者の映画ファンドが日本での初めての映画ファンドというわけではないし、アメリカなど海外でも存在しているが、僕はこの本で映画ファンドというものを初めて知った。こんな形で映画作りのスポンサーを集めることもありなんだ。

ベンチャー・キャピタルからの投資などのように、制作会社だけでなく、制作会社の制作した作品の著作権に投資をするというところがいい。会社に投資するのだと、会社の方針や事業にまで口を出されたりするわけだが、このファンドでは、お金を出した者が口を出せるのは作品まで。

スポーツを支える仕組みでもファンドっていうのを作って投資家からお金を集めるってのもの、ありかもあしれない。



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2008年07月14日

オシムさんの本をはじめて読む

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日本人よ!昨年の夏に開催されたアジアカップの直前に出版された本。

オシムさんと言えば、「オシム語録」。煙に巻いた発言、奥深いコメントをいくつも残してくれた人。オシムさんはこの本でいくつも示唆に富んだ文章を残してくれている。

「日本のサッカーを日本化する」と就任会見で語ったオシムさんが、日本代表を応援する僕たち日本のサポーターにこういう風にサッカーを見てほしい、こういう風にオシム・サッカーを見てほしい、という温かいメッセージが伝わってくる本である。

それだけにこの本が出版された半年後に病に倒れたことは非常に残念である。この本を読み終えたときにいちばんに浮かんだ気持ちは、オシム・ジャパンの続きを見たい、ということである。もうそれが叶わないことがとても悔しくもあるが、オシムさんは監督とはまた別の形で日本サッカーを支えてくれることを切に願う。

サッカーの本としてだけでなく、仕事や人生という視点からも、ヒントを与えてくれる本。できれば彼の言葉を翻訳なしに聞いてみたい。そうするともっと多く、鋭く感じるものがあるのではないだろうか。
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2008年06月07日

サッカーを語る前に読むべき本

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4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書 343)4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書 343)
Numberなどで戦術面からの記事をたくさん書いている杉山茂樹氏の逸品。サッカー好きはぜひ手にとってほしいと思う。

僕たちがサッカーのフォーメーションを語るとき、4-4-2とか3-5-2とか3列で語ることが多い。でもこの本を読むと今のサッカーは3列ではなく、4列で4-2-3-1とか、3-3-3-1と語らないと、戦術の本質を読み解くができないことがよく分かる。

杉山氏も述べているが、日本ではそれ以前にバックの数だけでフォーメーションが語られるというとても稚拙な状況だ。トルシェジャパン、ジーコジャパンの頃から3バックか、4バックかという2種類でしか実質語られていなかった。そして3バックが守備的、4バックが攻撃的であると。しかし3バックというのはあくまでも最終列を枚数を語っているだけで、MFより前の布陣により攻撃的になる、という思考を我々のほとんどが持っていなかった。

杉山氏がこの本で語るサッカーの方向性は賛否があるとしても、日本のサッカーファンにとって、サッカーを語るうえでこの本は最低限読まなければならない教科書なのかもしれない。
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2008年06月01日

ライフハック系の本、ハウツー系の本

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効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法何かよい方法がないかということで、こういうハウツー系、ライフハック系の本をよく読んだり、手にしたりするわけだが最近は読むのは正直しんどかったのだが、朝日新聞の土曜日版に寄稿したり、テレビでチョクチョク顔を見る彼女の本が読んでみたくて図書館で借りてみた。

でもやっぱり読んだ後の印象は結局他の本と同じ。彼女の具体的な知的生産術が披露されているわけだが、彼女だからできることである。それは彼女がお金を持っているということだけでなく、彼女の会社での立場、職種、環境、家族など周囲の状況、そして彼女が試行錯誤してきて身につけてきたものだから、彼女にとって最も効率的な方法なのである。

他の人間が参考になることもあるけれど、こういう本を読んでるとき、読んだ直後にはこの本で書かれていた内容をやってみようと強く思っても、たいていの人は続かないわけじゃないですか。1週間もたてばその本に書いてきたことを忘れる人がほとんどじゃないでしょうか。

結局自分の仕事や生活の中に取り込まれなければ、何の意味もない。仕事や生活のなかに取り込まれるとは、学んだこと、知ったことを使ってアウトプットを出し、成果を示すこと。そこまでできるようになるにはかなり本気で自らの知的生産術を向上させようとしている人でしょう。

ただこういう本を読まない方がいいとは思わない。1、2冊くらい読んでもいいと思うが、こういう本が出るたびに読むというのはどうかと思ったりもする。

著者自身、本書の中で、本の価格帯による良書に出会う割合というのを、自らの経験を通して書き記している。この本の価格は税抜で1,500円。氏は本書の中で1,200円から1,600円の価格帯の本の中で良書とめぐり合う可能性は6、7冊に1冊程度。このジャンルの本に6,7冊をかけるのは、僕の財政的にはちとキツイ。

自分で考え抜いて、効率的に成果につながるやり方を自分で考えろ、ということ。
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2008年04月24日

「やらないこと」を徹底する

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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)かなり遅ればせながら読みました。面白かったので2回読みました。かなりメモもとりました。ベストセラーとなった前著「ウェブ進化論」よりも面白かった。たくさん心にささるところはあったけど、ありすぎて整理できていないが、まずは整理できているところから。

この本のなかには何度も「時間の使い方の優先順位」という言葉が出てくる。最近流行のライフハック系の本でもテーマとしてよくとりあげられている事柄であり、どう時間を使うか、何に時間を割くかは僕自身も力を入れている、もっと力を入れなければと思っていることだ。

この本ではこんな感じで登場する。
  • 環境を変える前に「時間の使い方の優先順位」を変えること
  • 「時間の使い方の優先順位を変えるには「やめること」を先に決めること
  • 誰にも与えられる最高の環境をどのように活かせるかに知的生活のポイントが移行しており、知的生活に惜しみなく時間を使えることが最優先事項
  • ネットの発展によって個の自由な意志、それを反映した個の時間の使い方が、個の人生を決める度合いが大きくなる
  • 自らの現状への懐疑の感覚を向けることで、日常の一瞬一瞬の「時間の使い方」への関心が高まっていく
この本の出版記念講演で著者が語っていることだが、時間の優先順位を変えるのに著者がやめたことは、自分より年上の人と会うことを「やめた」したらしい。年上ではなく若い人と会うことに時間を割くようにした。(実際にはすでに仕事をしていた年上の人とは会うが、新しく年上の人と会うことはやめた。)

優先順位を決める、やめることを決めるということは、これくらい徹底しないと大きな変化を生むことはできないのだろう。例えばシステム開発において、上流工程での活躍を求めるのであれば、徹底してその部分だけする。下流工程は徹底してやらない。このプロジェクトは全部会社の利益にしたいから僕も設計や開発もするとか、このプロジェクトは上流しかしないとか、そんな中途半端な徹底ぶりじゃあ、何も変わらないということが身にしみた。

すべきでないことは徹底してやらない。まずは自分がやらなくて済むように体制なり、仕組みなりをつくりあげていくことが、僕のすべきことなのではないだろうか。



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2008年03月21日

「Spike!」創刊 〜 高校サッカー部員向けフリーマガジン

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spike001.jpg以前にも創刊の話を紹介しましたが、ついに当社で発行する高校サッカー部員向けフリーマガジンが創刊しました。
高校に直接お届けする流通形態をとっているため、一般の市場で見かけることはないと思いますが、高校生のサッカー好きのハートを射止めるには十分な内容の雑誌が無事にできました。

中味はこちらで確認することもできます。
高校生のサッカーをがんばってサポートしていきます。
(僕も高校サッカー部員なら間違いなく毎回熟読するね。)

ホームページ(PC、携帯とも) http://spike.e-3.ne.jp
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「デザインの輪郭(深澤直人)」を読んだ

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デザインの輪郭深澤直人さんは、auのデザイン携帯「インフォバー」や無印良品の「壁掛け式CDプレーヤー」をデザインし、アメリカのIDEOにも勤め、帰国後IDEOジャパンの創設した人。工業デザインの世界ではたいへん有名な人。

日本でトップデザイナーとも言える人だから、えらいとんがった人かと思いきや、この本のなかで、周囲との関係性や「ふつうであること」を求めたりと案外素朴なことを語っていることがとても印象的であり、「うーん」とうなる場面がいくつもあった。
・その状況において長く使われるということは、そのいろいろな状況における適正な圧力をもっているということによって決定されなければいけない。
・ひとつの関係が他の関係を決めることもある。京都の鴨川の岸辺に座るカップルごとの間隔
・ものの適正な姿や位置は、周囲の見えない力の関係によって成立している。
・人間は、自分で決めて働いているのではなく、環境に動かされている
どんなに冴えたデザインを持ったものであっても、生活のなかで、仕事のなかで、社会のなかで調和するものでなければ意味がない。周りとの適正な力関係を持っていなければ、モノとして成立しない。普通の生活のなかで、違和感なく普通に使ってもらってこそ、工業製品として成立する。工業デザイナーとして、人々に使ってもらうものを創作してきた著者の言葉に納得もしたが、意外な印象が強かった。

しかし人間を考えてみればそうです。
どんなに能力、スキル、才能を持った人であっても、周囲との調和が取れなければ、周囲との関係性をうまく調整できなければ、人間として豊かに生きているといえないのではないか。周囲の人びとから受ける力と自分から発する力がうまく調和しているから、人間として生きていける。

とても興味深く読むことができた一冊でした。
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2008年03月14日

失敗を伝える

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失敗学のすすめ (講談社文庫)先日読んだ「数に強くなる」を書いた東大の元教授が書いた本。

日本は失敗を隠したがる。小さな失敗を隠して隠して隠し切れなくなって、どうしようもない問題になってから発覚する企業の不祥事などは代表例。日本人は失敗を隠したがる。だって失敗したら取り返しづらいもん。文化として「恥」というものが浸透しており、笑いものになるのはやはり嫌だもん。

だから、失敗してもいいんだよ、というひと言はとても気持ちを楽にさせる。本当は失敗のなかから学べることは山ほどたくさんある。この本にあるとおり、誰かがうまくやったことを形だけ真似ても、その誰かと同様な成功を手に入れることはまずない。うまくやった人だって、見えないところで数多くの失敗を重ねてきているはずである。だけどうまくやった人も失敗をなかなか語らない。

こんな成功をしたよっていう話より、こんな失敗したよっていう話をもっと聞いてみたい。それを知っていたら違う方法を考えることもできるじゃない。こうすれば失敗するなら、じゃぁ思い切って違う方法をやってみようという気持ちになるじゃない。

僕の次の世代が思い切って進めるように、僕の失敗を公表することも先に道を歩くものの務めなのかもしれない。
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2008年02月25日

数に強くなる

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数に強くなる (岩波新書 新赤版 1063)数に強くなる (畑村洋太郎/岩波新書)

以前「数字に強くなりたい」というエントリーを書いたが、そういう気持ちが心の隅にあったのだろう、図書館にこの本が置かれているのを見て飛びついて借りた本。

筆者が言う「数に強い人」とは2種類ある。一つは、物事を数量的によく考えることができて、しかも覚えておくことができる人。もう一つは物事から数を引き出して、自分の実現したいことの道筋にその数を乗せ、加工し、発展させることができる人、いわば「数を作れる人」である。

この本では後者の「数を作れる人」が何を考えているか、そしてどう数をとらえているかを教えてくれる。
物事の先頭に立って動いている人は、「その場で作る」という動作をしている。本で読んで知ったり、人に聞いて覚えたりするのではない。・・・たとえ知らなくても作る努力をしなくてはならない。必要な数字は見たその場で作れなくてはいけない。
そして、「数を作れる人」になるには、階段の数を数えて地下鉄の駅の深さを計算したり、統計的な数字でも一人あたりという数字に落として、生活に実感できる形に再計算するなど、「いつでもどこでも愚直に徹底的に訓練する」必要がある。ボーっとしている暇はない、と説く。

そして、
すぐれたリーダーは、「変わる」を基軸にしている。だから先を読む、予測するという動作に長けている。真のリーダーは「その現象を表出させている条件がこれまでと同じなのか、それとも同じでないのか」ということを徹底的に吟味している。先を読む、予測するという動作は、その吟味があって初めて可能となる。
と説く。

数学者でもある筆者だが、横書きの数学書ではなく、縦書きの数学書を書きたかったと最後に書いている。横書きか縦書きか、同じ数学、数に関する本でも大きく異なると思う。そして読み終えてみて、筆者が縦書きにしたかった意図がよくわかった。

数字が人間が生み出した最も本質的なもの。本質的なものだけにそれが人々の生活や仕事に役に立たなければ、その本来の役目を果たさないということを、学問を続けるうえで強く感じてきたことなのだろう。実際本書は数が苦手な人にもとっつきやすい、理系の学者の書いた本とは思えないやさしい本だった。この本で少しは数に強くなれるような気がする。

P.S.
この本で初めて知ったことです。英語でミリオン(million)は100万。ではビリオン(billion)は同じ英語でもアメリカとイギリスでは違うって知ってました?billionは10億と覚えている人がほとんどだと思うのですが、これはアメリカ。イギリスではbillionは100万×100万、つまり1兆となるらしい。ちなみにbillionの上の単位、trillionもアメリカとイギリスでは異なります。
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2008年02月17日

楽天 三木谷浩史氏の本を読む

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成功のコンセプト三木谷氏とホリエモン。一時期よく比較された二人。その頃三木谷氏はとにかくスマートな感じな印象を持っていた。プロ野球への新規参入でホリエモンの横からスッとかっさらっていった、なんか何でもソツなくしちゃう嫌なヤツ、そんな印象を持っていた。でも、楽天創設の頃の話を聞くとそうでもないみたい。かなり泥臭いことをしてたみたい。そういうところでもソツのなさを発揮しているようだが。

97年に楽天を創設し、2006年には売上1兆円を達成する企業へと導いた。この本の最終章のタイトルは「スピード!スピード!スピード!」となっているが、自身、そして社員にスピードを求めてきた結果が、日本で最も成功しているITベンチャー企業を成り立たせた最大の要因だろう。

スピードをあげるには、できるだけ高い目標を設定すればよいと説く。いつまでにその目標を達成するかを設定し、そこから逆算して個々の目標をクリアする時間を割り出す。そしてその割り出した時間は常識的に考えれば、あまりにも短いはず。しかし彼はそれをクリアしていくスピード感を求める。そしてその崖をクリアしていくのは、人それぞれの当事者意識、そしてプロフェッショナリズムと話す。経営者としていくつもリスクを背負い、成功してきた彼の言葉だけに重みを感じる。

そして急成長がゆえに失脚していったホリエモンと違いを感じるところは、お客様を大事にしているところ。
どんなにテクノロジーが進んでも、人間そのものは変わらないのだ。
(中略)
インターネット系のビジネスでは特にこの姿勢が大切なのだ。
What can I do for you(customer)?
ビジネスのアイデアや方針に悩んだら、まず自分の心にそう問いかけてみよう
どんなにすごい技術をもっていても、世の中に受け入れられるものでなければビジネスの世界では宝の持ち腐れ。それを世の中の役に立つものとして提供できなければ意味がない。三木谷氏が興銀で学校を出て働いていたからこそ、顧客満足という基盤を揺るがさずにいられたのだろう。

次の目標は楽天を世界一のインターネット・サービス企業に育てることらしい。彼がトップにいれば、楽天はまたすごいスピードで実現するかもしれない。
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