2008年10月13日

読書メモ:リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 〜 くらたまなぶ

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リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 (日経ビジネス人文庫)くらたまなぶ氏がリクルート在籍時代に創刊に関わった情報誌は、14個。

とらばーゆ/ベル−フ(現テクノロジーBeing)/フロム・エー/エイビーロード/じゃらん/MOOKシリーズ/ゼクシィ/赤ちゃんのためにすぐ使う本/ダ・ヴィンチ/生活情報360(同事業からHotPepperへ)/じゅげむ/50からの新道楽BOOK(休刊)/あるじゃん/ザッピィ

リクルートを代表する情報誌にすべて携わっていらっしゃった人。まず実績がすごい。
新規事業を起こすために、どうすればよいか、というよりどんな方法で、どんなスキルを使ってやってきたかということを延々と語ってくれている本。このとおりできるかは相当の覚悟が必要ではあるが。

何より冒頭に書かれていることに、ハッとさせられました。
  • ちゃんとふつうに生活すること
  • ちゃんと生活しながら、喜ぶ。驚く。怒る。不思議がる
そうなんですよ。僕らは企業人としてモノやサービスを提供する側であると同時に、生活のなかでモノやサービスを受ける側でもあるわけです。モノやサービスの受けて生活者として何を感じているかを、感じていくこと。これってモノやサービスの送り手としても大事な感覚だと思う。自分の生活をおろそかにして、生活者としての感覚を失って、多くの人に受け入れてもらえる、役に立つモノやサービスを提供することなんてできるのでしょうか。

この冒頭の章で、僕はこの本に引き込まれました。

同じくリクルートの情報誌Hot Pepperをテーマとした本「Hot Pepper ミラクルストーリー」も、理論ばかり書いたマーケティング本などとは違い、新しい事業を進めていくための具体的な内容に感銘を受けたが、この本はさらに具体的な方法論、スキルが書いてある。新規事業を考えなければいけない人にはぜひ読んでもらいたいと思う。

【関連エントリー】
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2008年10月10日

読書メモ:脳を活かす仕事術 〜 茂木健一郎

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脳を活かす仕事術テレビひっぱりだこの茂木さんが、自分の若い頃の思考から、現在を何をどう考えて、農家学者としてだけではなく、多方面の仕事に取りくんでいるかを教えてくれる本。さーっと読めるがなかなか面白いことを書いています。

印象に残ったところを列挙。

■創造力は「経験×意欲」。
若い人は経験を積みながら意欲を保てばいいし、中高年の人は経験を上手に引き出していけばいい。

■ひらめきを出すための「思考のリフティング」
普段からどれだけ自分の頭で考えているかといった、日々の基本的な努力。

■セレンディピティ(偶然の幸運に出会う能力)
偶然を幸運に結びつけるには、脳の使い方次第。ポイントは「行動する」「気付く」「受け入れる」

■やりたいことと周囲が求めることは、必ず両立するもの
周囲の期待に応えつつ、自分のやりたいことも実現していく。多くのプロフェッショナルがそうした働き方をしている。

■ダイナミックレンジが人生の幅を広げる
核となる部分はしっかりともち、それ以外の部分は柔軟に、かつ、自分の価値観をしっかりと反映させる

■仕事のルールを作る
自分で自分のルールを作るチャンレンジができないと、「生き物としての元気」み身につかない。

■なるべく多くの「リアル」に触れる
行動の範囲を広げるためには、自分が勝手に作っているリミッターを外す(脱抑制) → 人間の脳にはリアルに触れると本気になるという特性

■火成論と水成論
人生を豊かなもにするためには、火山が爆発するような発作的な行動などの火成論的な動きと、自分の人格や世界観を培う水成論的な時期の両方が欠かせない。この2つの概念は、相互補完的な関係にある。

■道なき場所に道を作るのが仕事である

■小さなイノベーションを積み重ねていく
自分の道具箱に入っているものはすべて使うくらいの努力が必要


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2008年10月04日

書評: ぐるなび―「No.1サイト」への道 〜 滝久雄

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ぐるなび―「No.1サイト」への道ぐるなびをスタートさせた滝久雄氏が、ぐるなびのことについて書いた本。

ちなみにこの本のAmazonでの書評を見ると、よくない評価がズラリ。親から継いだ会社で資金がたくさんあって、うんぬんかんぬん、などという後ろ向きな評価が並んでいる。その辺は事前に差し引いて読み始めてみた。

でも確かに例えば他のベンチャー企業で赤字を出しながらも、毎年IT事業に5億円の投資をし、それを10年続けるなんてできない。しきりに何十年も前から将来はITが大事、ということを本書でも述べているが、10年で計50億円のお金を利益度外視で投資できるベンチャー企業などほとんど存在しない。

ただ新しい事業を起こす、サービスを起こすという視点では参考になる部分が多い本だった。ぐるなびがどうやって大きくなってきたか、現場はどんな苦労してきたか、という臨場感が伝わってきた。

ぐるなびに店舗情報を掲載している店舗には一般加盟店、販促正会員の2種類がある。一般加盟店は3,000〜5,000円程度の掲載料を月々支払って、ぐるなびに店舗情報を掲載する店舗。一方の正会員は年間で販促プランを利用している店舗で、年間にぐるなびに支払う金額は平均で100万円程度となるらしい。

ぐるなびはサービス開始当初は、とにかく加盟店を1万件程度にするために、加盟店の増加を目指していた。月々3,000円の契約を取るために営業マンが繁華街を駆け回る。そして、1万件をこえたあたりから、店舗との新しい契約形態をとるようになった。「AE型ビジネスモデル」という言葉で紹介されているが、このAE型が浸透し、現在で言う販促正会員の獲得が軌道に乗っていくしたがって、ぐるなびの経営上の採算がとれるようになっていった。

AE型ビジネスモデルへ転換していくにあたり、営業社員の意識転換していくのに非常に手間がかかった、という話が印象的だった。営業社員からは、3,000円程度で掲載してもらっていた飲食店に、10万円を出してもらって掲載するなんてできない、という反対意見。一方滝会長からは、経営者は3,000円の投資で10万円の売上が上がるより、10万円の投資で100万円の売上があがることを望む、と社員を時間をかけて説いていった。

うーん、聞けば何でもない話なんだけど、この辺の感覚が経営者の感覚ってやつ、商売の感覚ってやつなんだろうなぁ。技術屋さんにはなかなかわかない感覚だ。

さて、この本、ときどきぐるなび社員の声が途中で出てくる。現場の臨場感をより伝えようという意図なのだろうが、全くの不要。現場の気持ちは滝さんの文章からでも伝わってくる。どころか滝会長を恥ずかしくなるくらい持ち上げる声ばかりで、腹が立ってくる程。そういうところもAmazonの書評にも影響しているんじゃないかな...

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2008年09月25日

読書メモ:Hot Pepper ミラクルストーリー(平尾勇司)

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Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方街で当たり前のようにみることになったクーポン・マガジン「Hot Pepper」。その責任者が何を考えて創刊し、何をして成功を収めたかを語る一冊。成功する組織、戦略、戦術、人事とはこういうものだ、と教えてくれる本。

新しい事業をつくりあげる立場にある人にはぜひぜひ後熟読いただきたい。(僕は2回読みました。おかげで折り目だらけ、線だらけになってしまった。)

実際にHot Pepperがどう取り組んできたかを具体的に書いてくれているので、いわゆる教科書のような戦略本などと比べると、ぎっしりと中身が詰まっている。どの章も読みごたえがある。

特に著者がHot Pepperの事業のなかで重点を置いていたのが、いかに仕組みを作るかということ。マニュアル化ではなく、仕組み化。営業の仕組み、組織の仕組み、事業の仕組み。。。その仕組みのなかでも社員や関係者が自ら考えて、決断する仕組み。様々なところでつくりあげた仕組みがHot Pepperの成功要因の大きな部分といえる。

(成功しているから、あとづけで何でも言えるということは百も承知なうえで)僕も著者のような事業家になりたい。世のなかに役に立つ新しいモノ、サービスを産みだしたい。きっとヒントはこの本のなかに山ほど詰まっていると思う。心に響いた文章はたくさんあるのだが、いつも肝に銘じておきたい文章として以下をあげる。
リーダーとは物語を語る人だ。
(中略)
「これから何が起こるか?何を起こすか?どのようにして実現するのか?」を語れるのはリーダーしかいない。
どうなるかわからないなかでも、物語を語り続け、事業を実現させるリーダーになりたい。
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2008年09月14日

読書メモ:「ウェブ時代 5つの定理」

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ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!梅田さんの心に揺らした、ITの発展を支えた巨人たちの金言集。スティーブ・ジョブス(アップル)やアンドリュー・ムーア(インテル)らの言葉に、梅田さんがどう感じ、梅田さんの仕事や生活のなかでそれらの言葉がどう生かされたか、を語った本。

書名の「ウェブ時代 5つの定理」の5つの定理は、以下のように分類されている。
 1.アントレプレナーシップ
 2.チーム力
 3.技術者の眼
 4.グーグリネス
 5.大人の流儀
シリコンバレーに住む著者が、アメリカのITベンチャーがシリコンバレーのなかで、どう生きているか、どう生きていくべきかを語る。そのまま日本のITベンチャーにあてはめるのは難しいと思うが、経営層、マネジメント層に、こういう心構えで、あるいはこうなってほしいということが伝わってくる一冊。

もっとも興味深く読んだのは、アップルを題材としている部分。プロダクト志向なカルチャーを目指すためにはどうあるべきかとか、「当たり前」を超えて「狂信的に注意を払うこと」など、ジョブズやアップル関係者の言葉は、自分にも深く関わる部分もあり、グッと来るものがあった。

事を成した人、昔の偉人の言葉にはとても重みがある。特に若い人、これからIT業界を目指そうとする人に、それぞれの言葉に対する梅田さんの文章以上に、梅田さんが選択した偉人たちの言葉を行間までしっかりと読み込んでもらいたいと思う。
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2008年08月23日

自分が自分を雇うという働き方

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ニューヨーク流たった5人の「大きな会社」―我々の仕事の仕方・考え方住友銀行、ゴールドマン・サックスに勤めた後、ニューヨークで独立した神谷秀樹氏の働き方を書いた本。

いちばん共感することができたのが、「自分で自分を雇う」という働き方。「○○をさせられている」とか「○○をさせてもらっている」という働き方でなく、「僕は○○をしている」という考え方。

そういう考え方があったうえで、以下につながる。
人類史のなかを見ても最も恵まれた時代である現代は、自己実現を図る「機会」に恵まれている。その機会を受け身ではなく、積極的にいかすことが、より豊かな人生につながる
小さい会社にいようと、大きい会社にいようと、チャンスはやってくる。チャンスを前にしたときにどれだけ自分から積極的に、自分の使命だと思ってそのチャンスに取りくむことができるか。どれだけそのチャンスに自分の時間を傾けることができるか。このチャンスを生かすも殺すも自分次第なんだ。

契約上は雇われの身ではあるが、自分を独立した法人のように考えて、自分の仕事に取りくんでいきたいと思う。

最後に、本書から。
企業の改革は一人の個人の努力に始まる。その個人とはエリートではなく、末端の人であることが多い。
そんな著者の言葉に背中を押されたような気がする。
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2008年08月06日

「ザ・プロフィット 〜利益はどのようにして生まれるのか」

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ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのかザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
エイドリアン・ストライウォッキー著

ある経営学者に若いビジネスマンが個別授業を1週〜2週に1回受けるというストーリーで書かれた、利益を生み出すビジネスモデルを23パターンが紹介されている本。

物語風になっているため、さらっと読めてしまうが、それだけではこの本を理解したとは決して言えない本である。ある程度のレベルのビジネスマンであればここに懸かれている23の利益モデルは感覚として理解はできるだろうが、主人公の若者が苦しんだのと同じように、実際の仕事のなかで業務としてこれを実践しなければ決して「読んだ」とは言えないと思う。僕自身もさらっと読んでしまった。

毎日の仕事のなかで自らの思考回路をフル回転していかなければ、この本の真のテーマを理解することができないだろう。自分がどれだけ実践できているか、自分の手元に置いて何度も読み返してみたい一冊である。
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2008年07月31日

フリーエージェント社会の到来

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フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるかできれば日本人で、日本の労働環境でこの本を書いてもらう人がでてきてもらいたいと思う。

著者のダニエル・ピンクが唱える「フリーエージェント」な人々には先日エントリーした「インディペンデント・コントラクター」も含まれる。そのエントリーで紹介した本では、インディペンデント・コントラクターを、わかりやすく言うとフリーですることを賞賛する傾向が非常に強い本であったが、この本はフリーであればどんな苦労をするか(社会保険や税金の話)も織り交ぜながら、相対的にバランスよく、個人で雇われない働き方を紹介している。

もちろん、フリーエージェントを肯定的にとらえる本ではあるが、「フリー」という働き方に、憧れ、かっこよさだけを感じている人にぜひ一度読んでもらい一冊だと思う。

僕は、フリーであれ、勤め人であれ(この本で言うところの「オーガニゼーション・マン」)、インディペンデントなプロフェッショナルでありたいと思う。

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2008年07月30日

サッカーの指導する前に読むべき本

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「言語技術」が日本のサッカーを変える (光文社新書)以前「サッカーを語る前に読むべき本」というエントリーで「4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する」という本を紹介したが、この本は「サッカーの指導する前に読むべき本」と言えるかもしれない。

著者は現在日本サッカー協会の専務理事を務める田嶋幸三氏。現役引退後単身ドイツに渡り、ドイツで指導者の資格を取得した経験をもつ著者は、ドイツなど海外の指導状況もよく知る人。そんな著者の体験から、日本サッカー界、特に若年層に必要なものが語られており、日本サッカー協会がサッカーを通して子供たちをどう育てていこうとしているかが、たいへん分かりやすく書かれている。

サッカー選手に必要なものの一つとして論理的思考能力を挙げる。そしてこの論理的思考能力を身につけるには、15歳までがふさわしいと説く。だから技術的なスキルを身につけるだけでなく、寄宿舎制にして教育まで行うJアカデミーを創設しエリートの養成を目指した、と。

とにかく子供たちにサッカーを教える人にはぜひ読んでもらいたい。Jアカデミーでのエリート養成だけでなく、草の根レベルの子供たちにも日本サッカー協会の考え方が浸透しないと、日本のサッカーは世界基準に到達しないだろう。サッカー協会の指針の評価は読んでからでも遅くない。小学生から高校生を指導する指導者にはぜひ読んでもらいたいし、論理的思考能力を子供たちを植え付けることのできるコーチがたくさん出て来ることを期待したい。

【関連エントリー】
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2008年07月26日

インディペンデント・コントラクター

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インディペンデント・コントラクター 社員でも起業でもない「第3の働き方」
インディペンデント・コントラクター協会の会長をつとめる秋山進氏が共著。

インディペンデント・コントラクター、直訳したら「独立した契約者」。もう少し詳しく説明すると・・・
高度な専門性を備え、業務単位の請負契約を複数の企業と結んで活動する「法人化した個人」および「個人事業主」の事。Independent Contractorの略でICと呼んだり、直訳して独立業務請負人とよんだり、プロワーカーなどと呼んだり、呼称は様々。一部には独立業務請負人を略して「ドクウケ」と呼ぶ向きもある。

「必要な時な時に必要なだけ」プロジェクトに参加し、ベンチャー企業としてIPOを目指すわけでもなく、自宅を中心に自分のペースで働くSOHOとも一線を画するICは「雇われない、雇わない」フリーエージェントとしてのビジネスマンの新しいワークスタイルとして注目を集めている。
本の副題にもあるように社員でも起業でもない「第3の働き方」。本のなかでは、いわゆる「フリーランス」とは違うらしい。その違いは本を読んでもよくわからなかった。

インディペンデント・コントラクター 社員でも起業でもない「第3の働き方」日本の会社がCompany(会社)であり、Enterprise(企業)でないという表現が印象的だった。横のつながりに重きを置くことでコミュニケーションコストを下げてきた日本の会社では、なかなか職務へのプロフェッショナルが生まれてこない、という。

ただそういう日本の会社に嫌気がさし、自分がプロフェッショナルとなることを求める人材が増えてきたが、転職が増えたり、あるいはインディペンデント・コントラクターという概念が日本でも出てきたり、というのにつながっている。

将来の僕がどうなるかわからないけれど、独立心をもって自分の市場価値を高めていくという点では共通するところがあると思う。
posted by motti at 17:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | はてなブックマークに追加
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